つぶやくふたり

talk about housing

(2022年11月から2023年3月の流れです)

A:レッドゾーンでの新築住宅は2022年から長期優良住宅の認定を受けられない、という点も注意が必要ですね。

S:そうですね。
今回の家も性能的には十分クリアしていますが、その認定は残念ながら受けられません。
そのほかの公的な補助金も受けにくいです。
その反面、レッドゾーンの土地の固定資産税・都市計画税は通常の7割で良いのでお得な面もあります。

A:先日、レッドゾーン内の中古物件の改装の話がありましたが、この辺りはどう対応すれば良いのでしょう?

S:レッドゾーンに指定される前に建てられた木造住宅ですね、現在の法律には合っていないのでこれは既存不適格建築物になってしまいます。
もし、こういう中古物件付きの土地を買った場合、簡単にできることは確認申請が必要にならない範囲の改装をすることです。
それ以上の工事になると確認申請が必要で、レッドゾーン対策が必要になります。

A:建物を建てるということは、そう簡単じゃないのだな、と最近つくづく思います。
法律などの規制をクリアしてやっと建てられる、というところに漕ぎ着けるんですから。

S:そうなんですよね。
I邸の話に戻りますと、がけ条例とレッドゾーンのダブル対策は必要なく、レッドゾーンの対策のみで良くなりました。

A:がけの高さもそれほど高くなかったので、RCの壁も許容範囲の高さで収まりそうなのも良かったです。

S:土地に防護壁を建ててしまうと有効面積が狭くなってしまうので、結果的にはレッドゾーン対策のみで済んで、ベストな結果になったと思います。
いやー、各方面と調整してここまで来るのになかなか時間がかかりました。
で、一難去ってまた一難。
当初はレッドゾーン対策のためにがけに面した東側の壁のみRCにすれば良いとされてましたが、審査側の見解が変わって、レッドゾーン内は全てRCにするように、となりました。

A:担当者によって見解が変わったりするので、その辺りは注意が必要ですね。
南側と北側の壁面も一部RCにすることになり、一番苦労したのはどこですか?

S:コンクリートは木より熱を伝えやすいので、断熱材をしっかりと使う必要があります。そうすると、壁自体が分厚くなるので、細かい収まりに影響がありました。
木造の一部をRCにするということは性能をキープする面でも、複雑になるのです。

A:志水さん、パズルみたいな作業してる、と言われてましたもんね。

S:建物が出来上がってしまえば見えない部分ですけれど、大変だったところです。

A:がけ対策のために作るRCの部分には窓を作ることができないですし、その面積が大きくなってしまうと、かなり家の住みごごちにも関わってきますよね。

S:そうですね、設計の工夫が必要になってくる部分です。
I邸の場合、がけ側に中2階を設けることでその辺りをクリアにしようと思っています。

A:それらを行いつつ、具体的なプランニングの話も進んでいくのですね。
あ、その前に埋蔵文化財包蔵地の話もありましたね。
次回はそこからお願いします。

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