つぶやくふたり

talk about housing

今回は、私の以前の同僚で、友人でもあるグリーンコーディネーターの曽我菜穂子さんとグリーンショップを巡りながら話したことをまとめました。(実際の会話はもっとラフな感じです)


A:こんにちは。なんだか仕事の話を改まって話すのは変な感じ、もうだいぶ長い付き合いになるね。

N:ね、知り合ってもう20年近いかな。

A:そうだね。簡単に経歴を話してもらって良いですか?

N:はい。
私は美術系の大学を出たあと、内装関係の会社に就職、百貨店の内装や、海外ブランドの店舗の装花を中心に仕事をしてきました。
20年以上ハードに仕事をしていく中で、私自身や家族の不調など色々なことがありましたが、力になったのが植物に触れることだったんです。
そんな体験も踏まえ、今は企業から個人のお客様まで、植物のある生活の素晴らしさを伝えられるようにグリーンコーディネーターという肩書きで活動しています。

A:そうなんだ。
長い付き合いとはいえ、それほど仕事の話はしてこなかったので、初めて聞くことも多いね。
グリーンコーディネーターの仕事って、馴染みのない方も多いと思うので、もう少し詳しく説明してもらえる?

N:例えば、植物のある生活がしたいと思った時、お庭であれば外構屋さんや植木屋さんに頼むのが想像できますよね。
室内に入れる観葉植物の場合、どうします?

A:うーん、自分でお店に行って好きなものを選ぶ?

N:そう、皆様、お店やネットで自分の好きなものを選ぶ以外の選択肢がないのです。
1つ2つの観葉植物を買うお客様にアドバイスをくれる専門店って少ないですし、お庭の植物と室内の植物では扱うお店が違うので、空間全体で把握することも難しい。
私の仕事は、お客様が「植物をくらしに取り入れたいな」と思ったときに、今まで培ってきた植物に関する知識や経験を総動員して、空間や生活スタイルに合うグリーンライフを提案することなんです。
おかげさまで協力してくれる生産者さんや、施工業者さんも増え、日本的な雑木の庭からオーストラリア原産の植物を使ったドライガーデンまで、観葉植物に限らず植物全般についての相談を受けています。

A:内と外の植物についてどちらも提案してもらえるのって良いよね。
統一感のある空間にできるのはやはりプロの仕事だと思います。
外構の植栽も室内のグリーンも、くらしの質を決める重要な要素だけれど、建築とは違う知識や経験が必要だね、と志水さんともよく話しています。

N:そうなのですね。
今回は亜紀さんから、室内に置く観葉植物について教えてほしいと依頼があったので、横浜市港北区にあるヨネヤマプランテーションさんに来ていただきました。
ここはかなり大ぶりな観葉植物がたくさんあって、価格もリーズナブルなものが多くて、個人のお客様とよく来る所です。

中央がポリシャス、確かに和の雰囲気があります。

A:植物好きとしては、楽しくてずっといられちゃう、笑。
鎌倉のお家に合う感じで、いくつかおすすめのものを教えてください!

N:そうですねえ、日日とさんが設計するお家は、内装がニュートラルなので、どんなものでも受け入れてくれると思いますよ。
周囲の緑を素敵に取り込んでいるのが印象的なので、外の景色と連続感がある植物も良いですね。
小さな葉や幹の感じが和の要素を感じさせるポリシャスやシェフレラ。飲食店の室内の坪庭にも使われる植物です。
あとはシダ系。鎌倉の山の中などでもシダ類多く見ますよね。そんなしっとりしたイメージで鉢をこだわったりすると、かっこいい、和モダンな感じになりますね。

迫力のシダ。優しい雰囲気なので和にも洋にも合いそう。

A:落ち着いた大人っぽい空間になりそう。ありがちなリゾート感満載なものより、さりげない感じで良いな。

N:少し個性的なものを取り入れるのも良いと思いますよ。黒い葉っぱが印象的なカラテアの仲間とか、あまり見かけない個性的な形のシェフレラノバとか。

カラテアの仲間。この雰囲気が気に入りました。

A:私はこういう変わった植物好きです。オリエンタルな雰囲気がまた魅力的だわ。シェフレラノバはかなり大きいね。

N:「いずれ大きくなるから」と、観葉植物を買うときに小さめなものを選ぶ方もいますが、数千円程度の差なら、私は大きいものを選ぶことをお勧めしています。
いずれとは言え、大きくなるまでには時間がかかるし、大きいものの方が、空間に置いたとき、印象をガラッと変えてくれるんです。
小さいものを大きくしていくと鉢の買い替えも必要になってきますが、すでに大きいものはこれ以上大きくなりすぎないように切り詰めれば良し。
お店では大きいものの方が、リーズナブルな価格設定になってることも多いです。

かなり大ぶりのシェフレラノバで値段は18000円、安い。

A:なるほどね。結果的にはお得なんだ、笑。

N:観葉植物は鉢にこだわるとまたぐっと印象が変わりますね。
モダンな感じにしたければ石もしくは石調で軽いものなどが良いと思いますし、色や柄のついた鉢にすればアクセントになります。

A:この辺りは自宅のインテリアと相談だよね。実際自宅の家具の写真などを持参して相談するお客様も多いのかしら?

N:はい、個人的にお願いされる場合はぜひお家の雰囲気をお伝えいただきたいですね。

A:観葉植物をすぐ枯らしてしまう、という声も聞くのですけれど、その対策って何かありますか?

N:枯らしてしてしまう原因は、水のあげ無さ過ぎか、あげ過ぎのどちらかです。自分の原因がどちらにあるかが分かれば、お手入れのしやすい植物もわかりますよ。

A:それはぜひ聞きたい。

N:あげ無さ過ぎの方は、乾燥に強い植物を選んだ方がいいですね、サボテンなどの多肉植物とか。
反対にあげ過ぎてしまう方は水が大好きなものを選んだらいいと思います、シダ系の植物やコケ類など。
でも、多くの観葉植物は土が乾いた時にたっぷりと水をあげればいいので、水やりのしやすい工夫を考えるのが一番かな。
鉢皿にタイヤが付いているものを選べは、気軽に動かしやすいですね。キッチンの近くに移動させて水をあげる、季節によって場所を変えるなどがしやすい。

タイヤが見えないように工夫されてます

A:なるほどねー。今はスタイリッシュなタイヤ付き鉢皿もあるんだねえ。
こういう情報って自分1人で集めようと思うと結構大変よね。

N:だと思います、なんでもご相談していただけたらなと思っています。

A:心強いです。高性能住宅は、エアコンで温度湿度を管理するため、室内がやや乾燥気味になりやすいと言われていて、そういう観点からも室内の植物はインテリア以上の役目があると思うのよね。

N:そうなのですね。高性能住宅は冬も暖いので、観葉植物と相性が良さそう。
ぜひ皆様にお気に入りを見つけていただき、家族の一員として迎え入れてほしいですね。

A:植物も家族の一員、良い言葉だね。きっと、心穏やかにくらせるね。
今日はとても勉強になることばかりで、とても楽しかった。ありがとうございます。
これからも色々相談させてね。

とにかく楽しいヨネヤマプランテーションでした

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