鎌倉で高性能住宅を建てる!I邸プロジェクト⑦〜いよいよ上棟です〜
A:志水さん、こんにちは。いよいよ上棟ですね。
上棟の前にいくつか質問がありますので、教えてください。
S:はい、わかりました。
A:まずこのコンクリートの基礎です。あまり見たことないな、と思うのですけれど、、。
S:これはコラム基礎と言われる工法です。
A:立ち上がっている基礎の壁面が無くて、コンクリートの柱と細い棒で支えられていますね。
S:はい。
実はこれ、基礎の底面の下に地中梁が隠れていて、それを立ち上がっているコンクリートの柱が支えている仕組みです。
A:あ、そういうこと!
普通の基礎では立ち上がっている壁面部分が、この基礎の場合は地中に埋まっているのですね。
この細い金属の棒は何ですか?
S:これは束(つか)です。コンクリートの柱と柱の間の床がたわまないようにしている支えです。
A:この基礎だと、床下の空間が広々していて、いいですねえ。
S:ですね、メンテナンスもしやすいですよね。そして、空気も流れやすい。
I邸では床下にエアコンの暖気を入れて家全体を暖めるので、このほうが温度ムラなく早く確実に暖まります。
A:なるほど。すごく理にかなった基礎ということですね。
次に気になったのは柱と基礎の間からヒラヒラと見えているこれです。
S:これは気密パッキンと言われるものです。
図面で見れば、基礎のコンクリートと、柱の木材の間はピッタリとくっついていますが、実際は微妙な凹凸はあるはずで、そこが隙間となってしまいます。この隙間を埋めるためにこのパッキンを敷いておきます。
A:こういう小さなことの積み重ねが気密性の高い家を作るということですね。
S:はい。
高性能住宅を作るのであれば、どんな細かい隙間も埋めるというつもりで施工しないとなりません。中途半端な施工が一番よくないです。
A:なるほど。きちんとした断熱性能を出すためにはもちろん、湿度と縁を切りためにも気密施工は重要ですね。
S:そうです。それにこの気密パッキンはシロアリ対策にもなっています。
A:ほー、すごい。一つの部材が色々な役割を持っているのですね。
雨に濡らさない
S:いざ上棟したら、現場はブルーシートでおおって、雨に濡れないようにさせることも大事です。隙間がないということは一旦家の内部に入った水分が出ていく場所がないということでもあります。
ですから、そもそも濡らさない、ということはとても重要です。
A:本当に、当たり前のことを丁寧に行うということで、高性能住宅は作られているんですね。
S:はい。手間はかかりますけれど、それがあるから長持ちする家ができるんです。
A:実際上棟するときって、志水さんはどんな気持ちなんでしょうか?
S:ワクワクする楽しさと、ちょっとドキドキする不安が入り混じっているという感じかな?
ずっと自分が図面上で考えてきたことが形になるというのはすごく嬉しくて楽しい瞬間です。
一方、本当に思った通りに形になっているのか?というのは上棟するまでわからないのでドキドキです。
A:志水さん、上棟の時は現場ですぐに2階に上がられていましたね。
S:はい、2階リビングからの景色、それをまず確認したくてね。この家は東西の眺望が肝心ですから、その景色をきちんと切り取れているかどうか。自分の目で確認するまでは緊張しますね。
A:「思った通りだった」と言って降りて来られたので、私もホッとしました。
S:すごく良い景色でしたよ。
A:東西のグリーンと、南側の空しか見えないリビング。住宅街だけれど、別世界にいるような感じなんだろうな、と思います。
S:そうですね、高い天井で開放感もあると思いますよ。
A:いいなー、これからの出来上がりが楽しみです。