つぶやくふたり

talk about housing

A:志水さん、2023年が始まりましたね。今年もよろしくお願いします。

S:こちらこそ、よろしくお願いします。

A:今回は新年らしく、新年の抱負、日日ととして2023年をどのように過ごしたいか?というテーマで話しましょうか。

S:いいですよ。じゃあ、まずは亜紀さんから。笑

A:あら、先手を取られましたね。

この仕事を始めてから2年弱になりますが、自分の現在の立ち位置や仕事の全体像が把握できてきました。実際に家を建てるお客さまに出会えたり、協力してくださる仕事仲間の方々も増えてきて、純粋に仕事が楽しいと思う日々です。
ここまで引っ張ってきてくれた志水さんに感謝しかないです。

S:いえいえこちらこそ、楽しく仕事させてもらってますよ。

A:で、2023年はもう少し発信を増やしていきたいな、と考えています。
注文住宅をつくるという仕事柄、高性能住宅に関する発信が多かったのですが、今年はもっと広い視点でいろいろな発信ができたらなあ、と思っています。


例えば、年末京都でお会いした銘木屋の専務さんは、守るべき古い街並みのある京都や鎌倉の、これからの姿をどのようにすべきかと考えておられまし、春に訪れた愛媛の共栄木材の社長さんは、日本の森の新しい未来を思い描いておられました。
私だけが聞いているだけでは勿体無いくらい面白いお話だったので、ぜひお話をたくさんの人に伝えたいなと思いました。

S:そうですね、僕らが関わっている方々は、個性的で面白い人たちばかりです。家を建てる予定のある人にも、そうでない人にもその面白さは伝えたいですよね。

A:ですね。あとは、私自身の生活者という視点ももう少し発信をしていこうかな、と思っています。

親元を離れてから27年、結婚してから22年が経ちました。会社員として忙しく働いている時期があったり、遠方の両親には頼れずに、文字通り3人の子育てに奔走している時期があったりしました。
そんな生活も、ここ1年くらいで急に変わった感じがあります。子育てのフェーズが変化したんだと思います。

S:そういうのって予期しない時にフッとやってきますよね。

A:寂しさもありつつ、少し落ち着いて自分の生活を振り返ってみると、「くらしを楽しむ」ということに関しては試行錯誤しながらもある一定のスタンダードのようなものを確立できたのかな、と。
そんな私のくらしを1つのアイディアとしてお伝えできれば良いかな、と思います。
おすすめの食器やインテリア用品を紹介したり、片付けのコツやおすすめレシピとか、些細なことばかりだと思うのですけれど。

S:そういうの、すごくいいですよ。僕にはできない分野です。
亜紀さんがどんな視点でものを選んで、どのようにくらしているのか?それが日日とのくらしというソフト面のスタンスになると思うんですよね。

A:素敵だと思ったものを色々買っていた時期もあるんですけれど、しばらく前から「いかに買わないか」に重きを置いています。作る、直す、みたいな過程が楽しいんですよね。

志水さんとは、よくファッションに例えてお話ししますけれど、ブランド物もファストファッションもひととおり経験して、「じゃあ今、手元に残っている服って何?」となると、作り手が感じられるものなんですよね。身に付けていても、目に入ってきても「ああ、試行錯誤したデザイナーや、高度な職人さんの技術の上に生まれてきたものなんだろうなあ」と言うのはなんか伝わる気がするんですよね。

S:わかります、僕も今はあまりものを買わないですけれど、購入するものは必ずストーリーが見えるものを買おうと心がけています。この間、鎌倉から新宿まで遠征してスニーカーを買いました。プレーンなスニーカーですけれど、ソールの交換ができるんですよ。そういうのって嬉しいですよね。

A:良いですね。今は流行りのデザインよりそういうものに心惹かれます。
食もそうですよね。やっぱり作り手がわかる食材は嬉しいです。なるべくならそういうものを選びたいなあ、と。我が家は父の作った野菜やお米を食べているから、ありがたいことに作り手にすごく近いんですよね。

S:食って本当に大事ですよね。そして今そういうものを大事にしたいと思う人も増えているなと実感しています。僕は日日とで亜紀さんのお父さんのお米を売りたいと思っているくらいなんですよ。

A:笑。

家は作っても作らなくても、くらしは確実に続いていきますからね。楽しくて、豊かで、自分がご機嫌でいられるくらしをどう実現するか?2023年は関わる人と一緒に考えつつ発信していきたいですね。

S:僕はくらしの先にある未来について思いを馳せることが多いです。
僕が社会人になった頃より、日本経済、世界情勢という視点だと、明らかに今の若い子たちの方が大変だと思うんです。そんな中でも生きていかなくちゃならない、次の世代に僕ができることはなんだろうか?って考えるんですよ。

もちろん生業としてきた住宅設計の分野で力になることはできると思いますけれど、それ以外にも仕事への考え方とか、くらし方とか、僕がやってきたこと、これからやりたいこと含めて話をすることで何か伝えられたらな、と思っています。

A:当初より志水さんはそうおっしゃってましたもんね。

S:そうなんです。ただ、あんまり強く出すと本業とのバランスがうまくいかないような気がして、わりとオブラートに包んできたんですけれど。そろそろもういいかなって。

A:ははは、そうなんですね。わたしはそういう話、好きですよ。今年は志水さん節全開でいっちゃってくださいな。

S:そうしますかね。日日とは便宜的には家を作る会社ですけれども、家というハードよりもくらしというソフトを大事にしたいし、一人一人のくらしが作る日本の未来が、少しでも明るく、優しいものであることを願う会社ですからね。

A:そうなんですよね。実は結構遠くを見つめている会社なんですよね。

S:僕が仕事をしているうちに全ては実現できないかもしれないけれど、未来への種まきができるような人間でありたいなと。良い形で次の世代に何らかのバトンを渡せたら、それが一番嬉しいかな。

A:もはや思想を語るみたいな雰囲気になってきましたけれど、我々の基本の考え方を伝えられる1年にしたいですね。

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